夏が来れば、思い出す


これを投稿する今日、

もうすでに夏が終わりつつある9月で、

いまさらなタイトルでお恥ずかしいですが・・・


ずっと書こう書こうと思いながらも、

他の雑事に忙殺されて、

ようやくちょっと余裕がでてきましたので

来年の夏まで温めておくのもな~~

と思い、

書いちゃいます!


先日、朝日新聞で

「短パンで仕事、ありかなしか」みたいな特集が

載ってました。


#朝日新聞 記事

  短パン=遊びは偏見 タレント・勝俣州和さんが説く「短パン道」

  「お堅い」銀行業界、代表取締役に聞く 短パンで働くのアリですか?

「服装の自由」を盾に短パンで働きたい? それ、ただの逸脱です



クールビズの話題に触れたり、

真夏に背広を着て歩いている男性を見たりすると、

いっつも思い出すのが、

橋本治さんの

『革命的半ズボン主義宣言』

です。


こちら1991年の発刊、

クールビズが導入されたのが2005年ですから、

夏場の服装問題を、先取りしていたんですね!


考えてみれば、 

服装は自由なようで自由ではないものです。


女性らしい服/男性らしい服、

職業に適した服、

集まりに適した服、

年齢にあった服、

住んでいる地域で浮かない服・・・


2019年には、

靴に注目した

#KuToo運動 もありましたね。


つまり、

いろんなルールを考えて、

最適の一着を選ばないと、

外に出られないわけなんですよ。


そこで、今回は、服について掘り下げていきますよ~~

Illustrated by ODEN@AC-illust


橋本治は『革命的半ズボン宣言』の中で、


「ねェ、
来年の夏はみんなで半ズボンを穿かない?」


と提案しています。


そして、


会社男は、なぜ夏にオールシーズンOKの背広を着るのか?


なぜ、男は夏に半ズボンを穿かないのか?


を、戦前の兵役義務から戦後の高度経済成長を経て、

1984年当時までの

会社男の状況を、縷々説明していくのです。


最終的に、

毛脛の話にまで及びますが、

そこにもまた、

男性に対しても女性に対しても、

「ある前提」を当たり前だと思っていることを、

鋭く指摘されています。


では、

「ある前提」とはなにか?


それは、

「男性には男性の、女性には女性の

 こうあるべきという服装に対する価値づけや規範が、

 異性の服装への

 批判的なまなざしを生んでいる」

ということなのです。


以前、

初音ミクのコンサートに行ったとき、

その会場に、

水色の髪をしてミニスカートを穿いた

(ややおじさんよりの)ごつい男性が

いらっしゃいました。


心の中で

「おおぅ!」

と思うと同時に、


「驚くと思うということは、

 私もまだまだ世間の常識にとらわれている証よのう・・・。

 うん、いいじゃないか、

 自分が楽しみたい服装を楽しめる、

 そんな場がここにある。

 あ~~、やっぱオタクっていいな♡」


と考えたのです。


もちろん、

私生活では半ズボンを穿く会社男の方々もいると思いますから、

橋本治がいうように

「会社男が、会社で、半ズボンを穿く」

というハードルの高さは、ここにはありません。


とはいえ、

半ズボンを通り越して、ミニスカートが許容される

このオタクの感性が世間に浸透すれば、


会社男が半ズボンを穿くことも

不可能ではないのでは?


なーーんて、夢見てしまいますね。


(ちなみに、「半ズボン×男性」のイラストを探したところ

 小学生か、

 成人ならスポーツ、自宅でリラックスのイラストしかなく

 会社で半ズボンは、絵の世界でも実現していませんでした・・・)


ということで、会社男のみなさん、


「ねェ、
 来年の夏はみんなで半ズボンを穿かない?」


この提案をぜひ世の中に知らしめて、

男性の現状が変わればな~~って

もうここ10年くらい考えているので、

来年こそは、

夏にスーツを着ている会社男のみなさんに、

「半ズボン主義宣言」のステッカーを貼り回りたいです!!


DFY® 디에프와이@unsplash


引用文献

橋本治1984『革命的半ズボン主義宣言』冬樹社

      #河出書房新社 より1991年に文庫として刊行


日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、旅する、語る、見る、読む・・・ 日々くらす中で感じるいろんなことに「しゃかいがく」を交えながらもやもやと考え惑う      Life Log Sociology です。                 profile pic by philipp-torres @unsplash

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