アンコンシャス・ノーマルという問題


今週の #虎に翼 も胸アツな展開でしたね!

Illustrated by アート宇都宮@AC-illust


よねさんが、

参考人として出廷しようとする女性にかけた言葉は、

現代にも通じるもので、

この時代からいまだに、女性に対する心証って変化してないんだな・・・

(いや、もちろん変化してるところもあると思います!)

と泣きそうな気持になりました。


さて、

この放送のちょっと前、

ある女性の就業に関するシンポジウムを、リアルタイム視聴しました。


その中で、

「アンコンシャス・バイアス」

についても触れられていました。


アンコンシャス・バイアスとは、

「無意識の偏ったモノの見方」(守屋智敬2021)です。


職場には、このアンコンシャス・バイアスがあふれている。

だから、そのことに気づいて、

女性が就業しやすい職場にしていこうということなわけです。


そのシンポジウムの最後に、ある男性研究者が、

「男性に家事・育児をしてもらったら、ぜひほめてほしい。

 ほめられたらやる気がでますから」

とおっしゃいました。


そのときは、終了直前だったので、

「あ~、やれやれ、終わった」と思うだけでしたが、

しばらくたってから、


「はて?」(@寅子in 虎に翼)的な

「??」が浮かんできました。


年配の男性の方が、

「男性に家事・育児をしてもらったら、

 ぜひほめてほしい。

 ほめられたらやる気がでますから」

とおっしゃったことに対し、

わたしはしばらくたって思い出して、


「はて??」


と、佐田寅子@虎に翼 になりました。

ちょっと待て。


それはつまり、

「男性はほめられないと、家事をやらない」ということ、


さらには、

「男性は、女性の配慮によって動くもの」
ということを意味していますよね???


なぜ、

女性の側が

配慮しなければならないのでしょうか?


「男性のみなさんは、
 女性たちに押し付けていて申し訳なかった、という真摯な気持ちで
 家事・育児に関わっていきましょう」


と、男性にその心構えを説くのではなく??

女性の側が配慮するべき??

Illustrated by サウナ猫@AC-illust


本人にとっては「ノーマル」な考え方も、

それがアップデートされていなければ、

「バイアス」になるってことですよね。


だとしたら、

周囲の人からすると「アンコンシャス・バイアス」で、

本人からすると「アンコンシャス・ノーマル」

であるということになります。


人は、「自分にバイアスがある」って

絶対思いませんよね。


いや、もちろんバイアスがあるかもしれない、と思って

気を付けてる人もいるとは思いますが、

その「気を付ける」の外側の「自分にとってのノーマル」が

バイアスであることも、あるわけです。


だとすると、

「自分にとってのノーマル」が「バイアス」だと

気づくためには、

けっきょく、誰かから指摘される以外にはない、

ということでしょう。

そして、先の発言をなさった年配の男性は、

それを今まで指摘されることがなかった、

ということなのですよね。

Illustrated by サウナ猫@AC-illust


何かの問題に対して、

「女性に配慮を求める」「女性になんとかしてもらう」的な発言は、

実はそこかしこにありますよね。


少子化では、

「女性が子どもを産むためにはどうすればいいか」

と考えるのに、

「男性が、自分の遺伝子を残してほしいためには、
 女性にどう接することが大事か?」

とは問われないですよね。


労働力不足では、

「女性が活躍できる社会にしよう」というけど、


「男性は、
 これまで女性がさまざまな仕事を担ってくれたこと
 (=つまり、もう十分活躍していること)をしっかり認め、
 彼女たちに負わせてきた仕事を、
 男性がどう負担していけばいいのか、話し合おう」


とはならない。


こんなふうに、

アンコンシャス・ノーマルという問題は、

そこかしこに蔓延っています。


ノーマルだからこそ、

それに気づくのは難しい・・・

今回は、「はて?」と思ったときに

アンケート回答という手があったので、

言語化して伝えることができましたが、

そのままスルーしてしまうこともあると思います。


でも、

「それはバイアスではないですか」

と問いかける勇気は常に持ちたいと思います。


そして、

こうした「センサーを持つ」と同時に、


「はて??」

と、

タイミングよく言えるかどうか・・・

もキモ・・・!!


反射神経も鍛えねば!!!!


Illustrated by なのなのな @AC-illust

日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、旅する、語る、見る、読む・・・ 日々くらす中で感じるいろんなことに「しゃかいがく」を交えながらもやもやと考え惑う      Life Log Sociology です。                 profile pic by philipp-torres @unsplash

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