透明人間、いつあらわる? 3


違背実験とは、ガーフィンケルが行った実験です。

ガーフィンケルは、人々がどのように相互行為をしているのか、

あたりまえと思っていることはどのようなことか、

を明らかにしてきました。


では、違背実験とはなにかというと、


 わざと不適切な行為を行うことによって、

 「見られてはいるが気づかれない」(ガーフィンケル1967=1989)

 相互作用の糸を可視化するために行われたもの

 (長谷川公一ほか『社会学』有斐閣)


です。

ガーフィンケルは、学生に依頼して、下宿人実験を行いました。

どういうものかというと、

自宅に帰り、家族に対して「下宿人=他人」としてふるまう、

ということです。


わが子から急に「〇〇さん、きょうはご機嫌いかがですか」と言われたら、

どう思いますか??

「なんで急にそんな他人行儀に!?何かわるいことした?」

「なんでそんな話し方するんだ!」

などなど、おそらくいろんなネガティブな感情が沸き起こってくるでしょう。


つまり、

家族の間では、

公的なコミュニケーションとは異なるコミュニケーションが求められる、

ということが、

気づかれたわけです。


こうした相互行為はあちこちにありますよね。

例えば、タクシーに乗車したときに、

  「どのメニューになさいますか?」

と言われたら、ギョッとしますよね。


違背実験は、

日常生活のあたりまえを気づかせてくれる、

ユニークな実験なのです。

(とはいえ、関係性が破壊される可能性もあり、取り扱いは慎重にしなければなりません)


といいつつも、ここで提案したい!!


「見られてはいるが気づかれない」

その最たるものとしての家事。

家事主任者のみなさん、

家事をしない、

という違背実験をしてみませんか!?


見られていても気づかれない、

透明人間のように家事をしているみなさん、

透明人間が透明じゃなくなる試みこそ、

この違背実験です。


※なお、「家事とはなにか」について考えたエッセイも

 ぜひご覧ください。

 BABY in ME 「見える家事と見えない家事」


1日・・・だと気づかれない?かもなので、

1~2週間、

家事主任者のみなさんにとっても苦行とは思いますが、

みんなで、家事しない違背実験をしてみませんか!?


あっ、でも、関係性を変える実験でもあるので、

家族の様子も見ながら、

決定的にまずい状況になる前に、

「実験でした」と伝えてください。


ああっ!

でも我が家ではこの実験後に、

夫が家事万能になってしまったので、

今は、逆にわたしが違背実験をされる側になるかも・・・!!


実験実行の際は、くれぐれもご注意ください・・・!!










日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、語る、見る、読む・・・ 日々のくらしのなかにある「しゃかいがく」の知をお伝えします。 profile pic by philipp-torres @unsplash

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