透明人間、いつあらわる? 2

家事ストライキをしてわかったのは、

「あたりまえなことほど見えない」

ということ。


例えば、

わたしは家事ストライキするまで、

毎朝「使われたままの珪藻土バスマットを立てる」

という家事をしていました。


でも、

家族にはそれはぜんぜん「見えて」いませんでした。


子どもたちが出かけた後、

バスマットを立てかけていましたが、

入浴するときには、

すでにバスマットがおかれているため、

バスマットは、

1ミリも動いていないように見えていたのでした。

                         Photoby nik @unsplash


そんな家事は他にもたくさんあります。

ひとつひとつは小さいことだけど、

それがいくつもいくつも重なること、

そして、誰にも気づかれないこと、

それはけっこうな心の負担になっていたのでした。


家族の中で家事をメインで行う人は、

「透明人間」のように誰からも顧みられないんだな・・・


ということに気付くと、

心の底がぬけて、気力ががばっと抜け落ちたような

脱力感に襲われたのです。


家事ストライキは、

見えざる透明人間の働きを、

「何もしない」ことで目に見えるようにする、

という試みだったのです。


ところで、

こうした「あたりまえ」を浮かび上がらせる方法は、

ガーフィンケルが提唱したエスノメソドロジーという手法の

違背(いはい)実験にあたります。

違背、とは、


AがきたらA’になるよね~~

ということに対して、

想定外もしない、Eになっちゃった!

みたいなことが起きると

人はどう感じるのか、という試みです。


詳しくは次回!

日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、語る、見る、読む・・・ 日々のくらしのなかにある「しゃかいがく」の知をお伝えします。 profile pic by philipp-torres @unsplash

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