あいさつはお好き? 3


ゴフマンの役割演技を踏まえると、

あいさつにはいくつかの効用があると思います。


1つ目は、どんな役割を演じているかを知らせること。

店員なら「いらっしゃいませ」など、

定型のあいさつによって、

相手の役割や立場がわかったりしますよね。


2つ目は、あいさつ=定型の会話をすることで、

「わたしはふつうの社会人です」

というメッセージを

相手に伝えること。


オリジナリティあふれるあいさつをされると、

「え?この人、ちょっとヘン・・・?」

と警戒しますよね^^;

定型の会話ができる=ふつうの大人である、

ということでもあるわけです。


3つ目は、

関係を積み重ねる方法として最適であること。


初対面の人に、いきなり

「わたしの趣味は~~でして・・・」

と話したりはしません。

なんどもあいさつするなかで、

ちょっとふみこんだ一言を話せるようになったりするわけです。


つまり、

意味のない会話をするのに

「あいさつ」はぴったりなコミュニケーション方法なのです。


一見すると意味のない、気恥ずかしい「あいさつ」を

こともなげに

演じることができるようになったとき、

ようやくコミュニケーション上手になるのかもしれません。


以上の検討を経て、ようやく、ほんとうにようやく

大人のふるまいを演じることができるようになり、

ほんの少しではありますが、

あいさつのむずがゆさが減ったわたくしから、

ブログを読んでくださっているみなさまに・・・


今年もお世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いします。

Illustrated by 1Mabu@AC-illust

日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、語る、見る、読む・・・ 日々のくらしのなかにある「しゃかいがく」の知をお伝えします。 profile pic by philipp-torres @unsplash

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