あいさつはお好き?
気が付けばもう11月も半ば・・・
年末年始が、もうすぐそこまできていますね。
さて、
みなさんは「あいさつ」が好きですか?
わたしはキライです!!
Illustrated のだありさ@AC-illust
子どものころから、
「あいさつ」が苦手で嫌いでした。
理由の一つは、
「どう答えていいかわからなかったから」
もう一つは、
「こんな会話に何の意味があるんじゃーー!!」
と、やり取りの恥ずかしさを感じていたから。
皆さんは感じたことないですか?
年末の仕事納めに、
「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」
と言うとき、
「来週会うやん!夏休み休暇とかわらんやん。
なのに、なんでこんなおおげさな挨拶せなあかんねん!
つか、たいしてお世話になってないし!
来年もよろしくとか、マジ恥ずかしい!
うわ~~~~~~~(脳内走り回り中)!!」
(エセ関西弁ですいません、
でも心の中のつっこみを表現すると
こんな感じになるのです)
って思ってしまうんです・・・!!
あと、
たいして親しくない人と久しぶりに会った時の会話とか、
ご近所さんと時候のあいさつとか、
マジ勘弁して!!状態でした。
しかし、
あるとき、気が付いたのです。
①「どう答えていいかわからない」
と戸惑っていたのは、
わたしが「定型の会話」を知らないからだ、
ということに。
時候の挨拶やお決まりの挨拶は、
みんな「自分の頭」で考えだして会話しているわけではなく、
すでに社会で認知されている「定型」を知って、
それをなぞっているだけだったのです・・・!
(そんなことに気づくまで10数年かかってる私って・・・(´;ω;`)ウゥゥ)
そして、
②「こんな会話に何の意味があるんじゃーー!」
という思いにも、
社会学的な意味があったのです・・・!
日常生活は演技である
というと、
どう思いますか??
ゴフマンというカナダの社会学者は、
日常のやりとりを、
演劇に例えて理解する
ドラマトゥルギー理論を提唱しました。
わたしたちは、
いつも素の自分をさらけだして、
人と会うわけではないですよね。
会社員、友人、客、生徒、患者、夫、妻・・・などなど、
そのときどきで、
状況に適した役割を演じているのです。
これをゴフマンは、
役割演技
といいました。
役割には、それにふさわしい演技、
すなわち振る舞い方や話し方がある、
というわけです。
タクシーに乗ったときに、
「どちらまで?」
と聞かれればスムーズですが、
「何食べますか?」
ときかれたら、ギョッとしますよね。
役割があることで、
わたしたちは、相手の出方を予想できるし、
期待した行為を受けることができるわけです。
では、あいさつの効用とはなにか??
ゴフマンの役割演技を踏まえると、
あいさつにはいくつかの効用があると思います。
1つ目は、どんな役割を演じているかを知らせること。
店員なら「いらっしゃいませ」など、
定型のあいさつによって、
相手の役割や立場がわかったりしますよね。
2つ目は、あいさつ=定型の会話をすることで、
「わたしはふつうの社会人です」
というメッセージを相手に伝えること。
オリジナリティあふれるあいさつをされると、
「え?この人、ちょっとヘン・・・?」
と警戒しますよね^^;
定型の会話ができる=ふつうの大人である、
ということでもあるわけです。
3つ目は、
関係を積み重ねる方法として最適であること。
初対面の人に、いきなり
「わたしの趣味は~~でして・・・」
と話したりはしません。
なんどもあいさつするなかで、
ちょっとふみこんだ一言を話せるようになったりするわけです。
つまり、
意味のない会話をするのに
「あいさつ」は
ぴったりなコミュニケーション方法なのです。
一見すると意味のない、気恥ずかしい「あいさつ」を
こともなげに演じることができるようになったとき、
ようやくコミュニケーション上手になるのかもしれません。
(そして、それを「大人」というのですね……)
以上の検討を経て、
ようやく、
ほんとうにようやく
大人のふるまいを演じることができるようになり、
(ほんの少しではありますが)
あいさつのむずがゆさが減ったわたくしから、
ブログを読んでくださっているみなさまに・・・
今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
Illustrated by 1Mabu@AC-illust
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