家事分担と「男同士の絆」 4

のちのち、ジェンダーを学ぶうちに

「男同士の絆」=ホモソーシャルな関係

という概念を知って、


 「なるほど。

  わたしが漠然とイラだっていたことは、

  このように表現できるのか!」


と感動しました。


夫が抱いていた

「他の男のことを意識して、妻を無視する感覚」

は、実は、

「イクメン」を自称する男性にも

潜んでいると思います。


なぜなら


「自分はイクメンだ」

「毎日お迎えに行ってるし」

「料理だってしてるし」


という男性の比較対象は

「妻」ではないことが多いからです(@筆者体感調査)。


ほかの男に比べたら「イクメン」だし「お迎え」も「料理」もしてる。


では、妻と比べたらどうでしょうか?


妻は、それ例外にも、


「家族の体調を気遣う」

「家族に愛情あることばがけをする」

「子どもの育ちやスケジュールを把握し行動を促す」

「快適な生活のために常に居住状況を改善する」などなど・・・


子どもが育つと、

これに塾や習い事、子どもの人間関係への対応、


あるいは、

子どもだけでなく、

義理の両親への心配りなど、

それはもうたくさんの家事をしているわけです。


多くの男性育休取得者にインタビューしたときに印象的だったのは、


「おれはイクメンじゃない」


とおっしゃる方が多いことでした。


というのも、

育休を経験して


「妻に比べたらぜんぜん家事も育児もしてなかった」


という境地に達していたからです。

つまり、かれらの比較対象は「妻」なんですね。


夫の家事分担にモヤモヤしたら、

ホモ・ソーシャルを疑ってみるといいかもしれませんよ。



※写真掲載の本

野々村友紀子(2019年)『夫が知らない家事リスト』双葉社

  さすが放送作家さん、笑いのグローブでパンチ!!

  家事リスト211項目は必見ですよ!



日々のくらしとしゃかいがく

食べる、寝る、働く、遊ぶ、育てる、集まる、語る、見る、読む・・・ 日々のくらしのなかにある「しゃかいがく」の知をお伝えします。 profile pic by philipp-torres @unsplash

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